FXはハイリスクノーリターンって知ってますか?

改善するために

こんにちは、元外資系ファンドマネジャーのやすたろです。

今回はFXはハイリスクノーリターンということについて説明していきます。

まず、FXがなにか分からない投資初心者へざっくりと説明すると、

FXとは通貨の交換のことです。

ニュースで円安ドル高とかよく聞くでしょ?
FXで円を売ってドルを買っている人は円安ドル高になると儲けることができます。

FXは証拠金という制度を使って元手の何倍もの売買を行うことができる(レバレッジといいます)ため、元手が少なくても大きく儲けることができると個人投資家に人気の金融商品であったりします。

 

で、このFX、よくハイリスクハイリターンの投資商品と思っている人をみかけますが、

この考え、間違えていますよ。

この場合のハイリスクハイリターンは、「失敗したら大きく損するけど、上手くいけば大きく稼げる」のような認識だと思いますが、これだと本質を見誤ります。

リスクとリターンの正式な考え方については、こちらの記事を参照ください。

 

FXはハイリスクノーリターン

FXはただの通貨の交換でしかありません。

どこかの通貨を持てば儲かるというものではありません。

値動きがあり価格変動のリスクはありますが、ノーリターンです。

これにレバレッジをかけるからハイリスクノーリターンになります。

そもそも株式などの投資商品と違って、FX市場は為替のリスクをヘッジするために発達してきました。
日本で物を作って海外で売っている会社が、為替の変化によって損しないようにと為替をヘッジするための市場です。
そこに投機家が入って市場の値動きで儲けようと企んでいるわけです。

 

FX市場は最も効率的な金融市場

「真剣にトレードを勉強して、市場を分析すれば為替の方向を予想できる」

そう思っている人は甘々です。

為替市場は、世界中の人が取引する最も巨大な市場です。そして注目度も最も高いため、最も効率的な市場でもあるのです。価値と価格の歪みがほとんどないということです。

プロでも予想することは不可能と諦めている人は多くいます。

個人投資家にとって、元手も少なく取引が始められ、手数料も低いことから人気の“投機”商品ですが、勝ち残っていくことは至難の技といえるでしょう。

 

外貨預金もノーリターン

高金利通貨への外貨預金、こちらもノーリターンの商品です。

FXみたいのレバレッジをかけることはないため、ミドルリスクノーリターンになるでしょうか。(売買コストはFXよりかなり割高にはなりますが、、、)

 

「為替の値上がりなんて期待していない。金利分だけ儲かればいい」

そう思って外貨預金をしている人はいませんか?

 

では、なんで金利差が発生するのでしょうか?

 

金利差はインフレ率の差

金利差の前に、まずひとつの国の金利について考えてみましょう。

そもそも、なぜ金利があるか理解していますか?

「金融政策が〜、景気の調整が〜」

いろいろと調整に使われていることは事実ですが、本質的な目的はインフレ対応です。

例えば、毎年物価が10%上昇しているのに、金利がゼロの世界ではなにが起こると思いますか?

今、買わなかったらどんどん物が高くなっていくということです。
家や車などの耐久消費財は早く買わないといずれ買えないくらい高騰してしまうかもしれません。
こういう世界では、日持ちする生活必需品や家や車などの耐久消費財などの需要がどんっと高まりインフレが加速していきます。

逆に、物価が上昇していないのに、金利が10%だとどうですか?

物を買うのを1年我慢して貯金しておけば1年後に同じものを買ってもお金が10%残ります。
実質的に物が安くなるということです。
この世界では、すぐに必要ではないものの需要が下がり、デフレ化していきます。

短期的には受給の調整として金利の水準をコントロールすることはありますが、長期的にみると金利とインフレ率は同じになります。

 

なぜ金利差が発生するのか?

それは、インフレ率の差があるからです。

そして、このインフレ率の差は為替の価格に影響してきます。

もちろん、受給とか政策とかそれ以外の要素もありますが、長期的にみればインフレ率の差に集約していくのです。期待リターンがインフレ率の差ということですね。

 

もう分かりましたよね?

ゼロ金利の日本円を売って、金利3%の豪ドルを買う。(数値は適当ですよ。)

これは、インフレ率ゼロの日本を売って、インフレ率3%の豪ドルを買うということでもあります。

確かに、金利部分で3%の得はしますが、価格の期待リターンはマイナス3%です。

合わせてみると、価格変動のリスクはありますが、期待リターンはゼロです。

 

よく、この金利差のみを取り出して、セールスされることがありますのでご注意ください。

 

最後までみていただき、ありがとうございました。
ご意見などありましたら、連絡いただければと思います。

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