投機と投資は違うけど、業績予想も投機のうちです

始めるために

こんにちは、元外資系ファンドマネジャーのやすたろです。

今回は投資と投機の違いということについて説明させてもらいます。

まず、このサイトに辿り着き、今この記事を読んでいる人は投資に興味がある人でしょうが、まず投資に対してどのようなイメージを持っているでしょうか?

①チャートをみながら短期で売買を繰り返す?

②成長性があり割安な銘柄を購入し、十分上昇した後売却する?

 

一般的な投機と投資の定義

ほとんどの人は①が投機で、②は投資というイメージでしょうか?

一般的なイメージの投機と投資を定義すると、

投機とは、本質的な企業価値ではなく、短期的な値動きに注目して利益を得ようとする取引。

勝つか負けるかのゼロサムゲーム。ギャンブルに近い

投資とは、目先の値動きではなく、本質的な企業価値に注目し、今後業績が伸びそうで割安な会社を安く買う。

どうですか? みなさんのイメージと合いますか?

 

そして、着実な資産形成のためには投機は避け、投資をする

そのために、企業の業績分析や世界経済や政治の動向を勉強し、見込みのある企業を発掘する。

と、考えていくかと思います。

なるほど、理論的ではあるし、このような書籍は大量に出版されています。

しかし、この考え方のまま投資を行うとおそらく失敗しますよ!

「そうだな。」とすんなりと受け入れられる人は少数で、ほとんどの人は「なぜ?」と思っているでしょう。

この理由を理解するために、ここでもう一度、投機と投資の定義を見直していきましょう。

 

投機の世界

もう一度先ほどの定義を確認してみましょう。

投機とは、本質的な企業価値ではなく、短期的な値動きに注目して利益を得ようとする取引。
勝つか負けるかのゼロサムゲーム。ギャンブルに近い。

投資とは、目先の値動きではなく、本質的な企業価値に注目し、今後業績が伸びそうで割安な会社を安く買う。

まとめて一言で言うと、
投機は短期の値動きに注目して、投資家は長期的な業績に注目する。
そういうことですかね?

 

投機はしてはいけない

投機の世界のプロたちは半端じゃないですよ!

世界有数の有名大学を主席で卒業(しかも飛び級で)したとか、経済研究してノーベル賞を受賞したとか。そんなレベルの天上の天才たちがウヨウヨいます。

そしてこのような人たちが生きるか死ぬかの勝負をしているのが投機の世界です。

投機の世界で利益を上げるというというのは、こういうプロたちに勝つということです。
しかも圧倒的に少ない情報量で。
金融市場は運の要素が強いため一時的に利益が上がることもありますが、ずっと勝ち続けれるのは一部の天才だけです。

スポーツや将棋でプロと対戦して勝てると思っている人はいませんよね?

なぜ投機なら勝てると思うのでしょうか?

一般人趣味として小額で投機をするのはいいと思いますが、大きく増やそうとレバレッジをかけて勝負してはいけません。
人生が崩壊しますよ、ほんとに!

 

投資もしてはいけない?

でも、なぜ投機家は短期的な値動きに注目するのでしょうか?

それは、短期的に儲けるインセンティブが働くこともありますが、
将来の業績を正確に予想することが一般的に思われているより“ずっと”難しいからです。

ここまで読むと、私がなぜこのまま投資をすると失敗すると言ったか、分かってきましたか?

天上の天才たちであるプロの投機家ですら避けるレベルの難問を、本を読んだりニュースを見たりして表面的に理解しただけでは判断することはできないのです。

ほとんどの個人投資家にとって将来の業績予想など不可能と考えた方が良いでしょう。

それでは、一般の個人投資家は投機も投資も手を出さないほうがいいのでしょうか?

いいえ、投資の本質は別のところにあります

 

投資の本質

投資の本質は、
取ったリスク量によってリターンが決まるということです。

金融市場がいかに合理的で銘柄選択の効果がなくてもリスクに対する対価というのは発生します。投資の世界はゼロサムではないのです。

よく分からない?

大丈夫です。

このサイトを読んでいけば徐々に分かってくるので、今は、どの銘柄に投資しようと、リスク量が同じであれば期待リターンは同じということだけ覚えておいてください。

 

利益は成長しなくてもいい

あと、多くの人が誤解しているのが、
利益成長が高い企業ほど価格は大きく上昇していく。
ということです。

もちろん、利益を大きく伸ばしている企業の価格は高く、利益と価格は比例しているようにみえます。

しかし、詳細を確認すると、“利益が伸びそう”と認識された段階で価格は大きく上昇していることに気づくはずです。

その後に予想どおり大きく利益が成長しても株価に影響はありません。成長分の期待を先に織り込んでいるのですから。

そして、リスク量が同じであれば、利益が急拡大している企業も利益の成長が遅い企業も期待リターンは同じになる、ということです。

 

今回のテーマのまとめ

・投機をしてはいけない

・業績予想をしてはいけない

・リスク量が同じであれば、期待リターンは同じ

 

最後までみていただき、ありがとうございました。
ご意見などありましたら、連絡いただければと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました