投資とギャンブルは本質的には同じである

始める前に

こんにちは、元外資系ファンドマネジャーのやすたろです。

「投資とギャンブルは本質的には同じである」

極論かもしれませんが 、私の本音でもあります 。

「投資は社会のためになっている 」

こういう反論もあるかと思いますが、宝くじも収益金を公共事業に使うなど世の中のために使われています。
また、投資をするときに、この投資活動を通じて世の中を良くしてやる、と考えて投資をしている人はどれくらい、いるのでしょうか?
ほとんどの人は儲かるからやっているかと思います。

あなたも本心では儲かるかもしれない、やってないと損するかもしれないとの思いで投資を始めようと思っているのではないでしょうか?

なぜこんな話をするかというと 、身近であるギャンブルと比較することで投資の本質を理解していけると考えたからです 。

そして 投資は崇高で難しいとの固い考えから、投資することに一歩踏み出せない人に、正しく最初の一歩を踏み出すきっかけになればいいと思ったからです。

 

投資とギャンブルが共有する本質

ところで、身近にあるギャンブルですが、ギャンブルの定義とはなんでしょうか?

「やればやるほど損をする」
「一部の人だけが儲かるけど、ほとんどの人は負ける」
「中毒性がある娯楽、ハマると破産へまっしぐら」

いろいろとギャンブルには負のイメージはあると思いますが、
当たれば儲かる、外れれば損をするという、不確実なコトにお金をかけること

私はギャンブルの本質はこれだと思っています。

そして、これに娯楽性を持たせたモノがギャンブルといわれ、社会的に意義のあるものという思い込みを持たせたものが投資といわれているのです。

また、保険も病気や事故という不確実なコトにお金をかけているわけで、部分的にみるとギャンブルと同じということです。
この定義でいえば、将来の不確実性、リスクがあることはすべてギャンブルになります。

 

ギャンブル必勝法は信じないのに投資必勝法は信じる人たち

ギャンブルは長い目でみると損をするという負のイメージがあるせいか、ほとんどの人はギャンブル必勝法と聞いてもそんなものはない、詐欺だと正しい判断ができます。

また、興味を持つ人も、少し勝率が上げればいいなという淡い期待からであり、本当に必勝法を信じているわけではないと思います。ですよね?

しかし、投資の場合はこの必勝法に引っかかっている人が“本当に”多くいます。

そんなのに引っかからない?

では、元本保証、高リターンというのはなにでしょうか?
元本保証=負けない、高リターン=他より儲かる

負けないで他より儲かる、これは必勝法ということです。

ギャンブルでも投資でも、ノーリスクで儲かることはあり得ないということです。

 

投資の株価予想と競馬の勝馬予想の共通点

株価は長期でみると完全にランダムではなく、業績に連動しているということがわかります。

ギャンブルでいうところの完全に運のルーレットより過去の実績や血統などから勝つ馬を予想する競馬に近いというころです。

では、企業や社会を分析することで勝率を上げることができるのか?

これも競馬で置き換えて考えてみましょう。

どの馬が勝ちやすいか、過去のレースのタイムや血統、体調などいろいろと考慮すると勝率が高い馬はみつけることはできると思います。
しかし、ほかの人も同様にその馬は勝ちやすいと思うと人気がでてきて、オッズもかなり低くなるということが起こります。

いくら勝率が高くても、払い戻しの金額が少ないため、一番人気の馬にかけ続けたら勝てるというものではないということです。

投資の話に戻すと、確かに業績が伸びそうな会社というものは、企業調査や社会情勢に詳しくなることである程度見つけやすくはなると思います。
しかし、そういう企業は他の人も同様に伸びると思っているため、株価がすでに高騰しています。

この会社は、すでに将来の成長を株価に織り込んでいるため、みんなが想定している以上の成長をしないと値上がり材料にならないのです。

このみんなが想定している以上、というのがキモです。

投資初心者の中には、これからはAIだ、宇宙だ、とすでに世間で騒がれている業種の株価が伸びていくと勘違いして投資をしようと考える人もいます。

確かに業績としては今後かなり高い確率で伸びていくでしょう。
しかし、その伸びはすでの株価に織り込まれているのです。

銘柄選択によって投資で勝とうと思ったら、だれも期待していない分野のなかで、成長する業界や企業を発掘する必要があります。

相当の覚悟と才能がないと、この銘柄選択という分野で勝つことは厳しいです(ふつうの個人投資家であれば諦めたほうが無難です)。

 

投資とギャンブルの違いは期待値

こういう話をして、投資もギャンブルの一種なんだから投資で儲けるなんてできない、といいたいわけではありません。

むしろ、投資の本質を理解して正しく投資しましょう、といいたいのです。

ギャンブルはやればやるほど負けるようになっています。
しかし、投資は“正しくやれば”、やるほど勝つようになっています。

この違いは期待値が違うために発生します。

ギャンブルをやったことがある人には還元率といったほうがわかりやすいでしょう。

ギャンブルの場合は、掛け金の総額から胴元の運営費や利益を控除したものを、勝った人に回すためどうしても期待値はマイナスになってしまいます。

余談ですが、宝くじの還元率は40%程度、競馬だと70%程度です。

しかし、投資の場合は、企業が利益を出し、社会が成長していくことで、この還元率が100%を超えるのです。
そこから胴元である証券取引所や証券会社の手数料を引いてもまだ100%を超える水準は維持することができます。

逆にいうと、頻繁売買や高い手数料を払うことで、この還元率が100%を割ると、ギャンブルと同じということです。

具体例は避けますが、投資と名乗っておきながらこの還元率100%を切る金融商品はわりとたくさんありますので、投資によって資産を築いていきたいと考えるのであれば避けるほうがいいかと思います。

 

今回のテーマのまとめ

主張:投資とギャンブルは本質的には同じである

理由:どちらも当たれば儲かる、外れれば損をするという、不確実なコトにお金をかけること

結論:ただし、期待値がギャンブルはマイナス、投資はプラスのため、投資は“正しくやれば”、やるほど勝つようになっている

補足:投資と謳っていながら、期待値がマイナスでギャンブルと同じような金融商品もあるので注意

 

最後までみていただき、ありがとうございました。
ご意見などありましたら、連絡いただければと思います。

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