こんにちは、元外資系ファンドマネジャーのやすたろです。
「ウォーレン バフェット」
世界一有名な投資家であなたも名前くらいは聞いたことはあるのではないでしょうか?
バフェットだったらこう考えるやバフェットの銘柄選択術などバフェットに関する記事はたくさん目にしますし、本もたくさん出版されています。
偉大な投資家で、言っていることはどれも深みがあります。
しかし、あえて私はいいたい。
バフェットを基準にして投資をするのはやめなさい、と。
今回は、個人投資家であるあなたがバフェットの投資術を真似て投資をすると失敗するということについて解説していきたいと思います。
バフェットの投資スタイルは真似できない
まず、知らない人のためにバフェットがどういう人かを簡単に説明しますと、総資産9兆円近くを投資で稼ぎ、投資の神様とも呼ばれるアメリカの投資家です。
投資スタイルとしては、自分がよく理解している分野のなかで、今後も業績が伸び続けると思う優良企業への集中投資です。
この投資手法によって、なんと50年間で平均して年利20%を超える驚異的なパフォーマンスを上げてきました。
どれくらいすごいかというと、最初200万円だったお金が50年間で10兆円になったほどです。
やばくないですか?!
そりゃあ、世界中で発言が話題にもなりますよ。
そして、バフェットだったらこう考えるやバフェットの銘柄選択術といういわゆるバフェと本が世界中でたくさん出版されています。
読んだことがあるという人も多いかと思います。
確かにこれらの本は、伝説的な投資家の考え方、投資哲学が詰まっており、興味をそそられるところ、参考にできそうなところは多くあります。
しかし、表面的な理解だけで彼の投資手法を真似て投資をしても失敗しますよ?
なぜなら、個人投資家であるあなたが簡単に真似できるほど簡単な投資スタイルではないからです。
経営者の目線で投資をできますか?
彼は天才的な投資家と同様に天才的な事業家でもあります。
優れた経営者としての顔を持っているのです。
実際に、彼はただ伸びそうな会社に投資をして見守るというだけでなく、経営権を握って会社を変革することによって株価を押し上げてきたという実績もあります。
そもそもバフェット率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ自体がもともと買収して手に入れた会社ですし、当時最大手のソロモン・ブラザースという証券会社の取締役をしていたときもあります。ほかにも、たくさんの企業の立て直しに参加しています。
あなたは投資先の会社や、同業者を経営したことがありますか?
経営をして会社を立て直したことがありますか?
そのレベルで会社や業界を理解していないと優良銘柄というのは発掘できません。
企業分析の本や消費者としての体験だけではとても銘柄を選択するための目は養われないということです。
業界未経験で入社してきたあなたの後輩が、「本で読んだから実務はばっちりです」といっていても「は? なにいってんの、コイツ?」と思うでしょ?
プロスポーツ選手のプレーをみたからといって、すぐに真似できるものではないでしょ?
バフェット本を読んで、集中投資を真似するということはそういうことです。
ましてや、世の中の移り変わりが激しい時代です。
長期的に成長し続ける企業をみつけることは至難の技といえるでしょう。
銘柄選択以外のところはあなたにも応用できる
しかし、さすがは世界最高の投資家、いっていることは合理的で個人投資家のあなたにとっても参考になるエッセンスはたくさんあります。
最高のタイミングで変えた銘柄は一生手放す必要はない
バフェットの投資法は長期投資として知られており、短期的な市場の揺らぎに惑わされることなく、業績、そして会社としての価値を伸ばし続ける優良な会社を保有し続けるという投資手法で圧倒的なパフォーマンスをあげてきました。
例えば、あなたもよく知っているコカコーラ、バフェットはこのコカコーラを1988年から投資し続けています。
それだけでどれくらいの利益を得たのか、想像に難くないでしょう。
S%P500で90%、米国短期債で10%を保有する
御年89歳のバフェット、まだまだ現役ですが、かなりの高齢になってきており、自分になにかあったときの資産運用のアドバイスを奥さんにしています。
それが、「S%P500で90%、米国短期債で10%を保有する」というものです。
優良銘柄を発掘して、集中投資によって財を築いてきたバフェットですが、残される家族にすすめた商品はインデックスファンドです。
「プロでなければ銘柄選択で勝つことはできない」
最高の投資家であるバフェットの言葉です。
私もこのブログで主張していることですが、やはり世界最高の投資家がいうのとは重みが違います。
また、プロが運用するヘッジファンドやアクティブファンドではなく、コストが低いインデックスファンドをすすめています。
そして、その理由は、コスト。
資産運用のアドバイザーはそのときに注目を集めているテーマを持ち出し、なるべく多く売買をして、売買手数料を稼ぎたいと考えますし、ヘッジファンドやアクティブファンドの運用者は、調査料としてパフォーマンスに見合わない高額な手数料を請求してきます。
関係者が増えて、かれらの利益になるということは、そのぶん、あなたの収益が減るということです。
一例として、2点とりあげましたが、ほかにもあなたに刺さるエッセンスはたくさんあると思いますので、興味があるかたはバフェット本を読むことをおすすめします。
結局どんな意見も鵜呑みはいけないし、全否定もいけない
どんなに優れた人の意見や手法も、時代や自分に合わないところがあります。
鵜呑みにするのではなく、いったん咀嚼して、飲み込むことで自分の地や肉にする必要があるということです。
このブログも個人投資家にとって、こういう投資がベストだと私が本当にオススメできる方法を紹介していきますが、それがあなたにとってベストなのかはわかりません。
視点の一つとして内容を理解していただき、その上で自分にあった投資スタイル、投資方法を確立していただければと思います。
今回のテーマのまとめ
主題:バフェットの投資法を真似て投資をしても失敗する
理由:プロの経営者としての視点がなければ、優良銘柄の発掘はできないから
補足:しかし、バフェット本には投資や人生に役立つエッセンスはたくさん詰まっている
結論:どんなに素晴らしい意見や手法でも、時代やあなたに合わない場合もある。鵜呑みにするのではなく、自分で考えよう
最後までみていただき、ありがとうございました。
ご意見などありましたら、連絡いただければと思います。
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