こんにちは、元外資系ファンドマネジャーのやすたろです。
投資をしようといろいろと調べている人なら一度くらいは、
・信用取引は危ない
・先物取引はギャンブルだ!
など、信用取引や先物取引を避けるような忠告を聞いたことがあると思います。
しかし、それでも信用取引や先物取引に手を出そうとしている人は、「損切りラインを決めているから大丈夫」とリスクを上手くコントロールできればメリットのほうが大きいと思っていませんか?
それでもダメです。
投資で勝ちたければ信用取引、先物取引に手を出してはいけません。
それでは、なぜ信用取引や先物取引をしないほうがいいのでしょうか?
今回は投資で勝ちたければ信用取引、先物取引はするな!というテーマについて解説していきます。
信用取引はリスク対比のリターンががっつり下がる
なぜ信用取引をしてはいけないか?
それは、リスク対比の期待リターンが下がるからです。
まず、信用取引での買いはお金を借りて自己資金以上の買いを行います。
この時の借入金利がいくらか知っていますか?
銀行金利がゼロにの今の時代におそらく2%以上はかかっているかと思います。
リスクをとった株式の期待リターンが5%程度といっているなか、確実に2%以上を利息としてもっていかれるのですよ?
その取引が有効だといえますか?
また、現物だけの保有であれば株式市場が如何に大暴落してもゼロにはならず、いずれリバウンドを経て高音を更新していくことになります。
しかし、信用取引でレバレッジをかけていると暴落局面で資金がゼロになり、反発する前に市場からの退場を迫られることも十分にあるのです。
「そのために損切りでリスク管理する」ですって?
損切りラインを薄くして短期的な取引を行うようでは、取引は投機的となり長期的な成功は掴めないでしょうし、ある程度の幅で損切りを行い、タイミングを見計って市場に入ったり出たりするのではせっかく増やしたリスクを減らして期待リターンを悪化させることに繋がります。
信用取引の売りで稼ぐということはギャンブルで勝つことと同義
そして、信用取引の売りはさらに最悪です。
期待リターンがマイナスの世界に自ら飛び込みにいくわけですし、売ってできたお金を貸して利息を受け取れるのかと思いきや「貸株料」がかかり、合わせるとお金を払う必要があるのです。
市場の期待リターンが5%、ネットの貸株料が1%としてとすると、期待リターンはマイナス6%です。
これはもうギャンブルで勝つといっているのと同じです。
投資として成り立たないですよね。
先物取引は信用取引よりマシだけど、それでもやらないほうがいい

先物取引は信用取引よりマシです。
なぜなら、支払う金利が低いから。
「信用取引」の場合は、自分の信用に基づき、借入をおこなうためどうしても金利が高くなってしまうのですが、「信用取引」の場合は実際に借入をおこなうわけではないのであまりリスク対比のリターンが下がることはないためです。
しかし、おすすめしないことに変わりはありません。
まず、信用取引と同じで過剰なリスクをとることになるためです。
そして、もう一つは、「先物取引」の商品の仕組み上、数ヶ月毎に決済をしないといけないということです。
「それが何って?」
数ヶ月毎に決済を行うということは損益が確定するため、毎年税金の支払いが発生するということです(勝っていればですがね)。
「税金は投資における最大のコストです」で説明したように、支払う税金を先送りすることによって長期投資の収益は最大化するのです。
先物取引は税金の面で現物取引に劣るということです。
例えば、最初に100万円持っていて、年間5%の利益が10年間続いた場合を考えてみましょう。
現物でずっと持っている場合は税金がかかるときは最後に売却したときのみで、10年後に売却したとすれば、税金考慮後で150万円になります。
一方、先物の場合は、数ヶ月毎に決済が発生するため年間5%の利益は毎年20%が引かれ、実質4%となります。
よって最初の100万円は、税金考慮後で148万円になります。
「あんまり変わらないって?」
それでは、10年ではなく、30年で考えてみると、
現物が366万円、先物が324万円となり、
長期になればなるほど現物が有利となっていきます。
「レバレッジをかけてそれ以上に儲ければいい?」
お小遣いを増やすくらいの気持ちであればそれでいいと思います。
しかし、あなたがしたいのは長期的な資産形成ではないのでしょうか?
長期的な資産形成を目的にしつつみレバレッジをかけて運用するというヘンテコなことをすると、暴落局面ですべてを失ったり、とったリスクが大きすぎて一時的な損失に耐えられなくなり精神を病んだりとデメリットのほうがかなり大きいです。
今回のテーマのまとめ
主張:投資で勝ちたければ信用取引、先物取引に手を出してはいけません!
理由:過剰なリスクをとって取引が投機的になるから
利息を支払うことで、期待リターンが低下するから
税金の支払いを先送りすることができず、収益の最大化ができないから
結論:長期的な運用にはレバレッジをかけず、現物のみで行うことが大切
最後までみていただき、ありがとうございました。
ご意見などありましたら、連絡いただければと思います。
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